私たちの技術について

RNA編集技術は、その名の通り

「RNAの情報を書き換える技術」です。

ヒトの体の中にはRNA特異的アデノシンデアミナーゼ(ADAR)という酵素が作られていて、RNA中の特定のアデノシン(A)をイノシン(I)に変換しています。この変換は「A-to-I RNA編集」と呼ばれています。A-to-I RNA編集によってmRNA上に生じたイノシン(I)は、タンパク質に翻訳される際にはグアノシン(G)として認識されます。つまり、A-to-I RNA編集はRNAの段階で遺伝情報を書き換えているということになります。

RNA編集技術は、この生体内で行われているA-to-I RNA編集を指定する任意の標的部位に誘導することを原理としています。

私たちの「RNA編集核酸」は、標的RNAに相補的な配列で指定した部位に、内在性ADARのRNA編集活性を高効率かつ特異的に誘導することができる独自の核酸分子です。

このような特徴から、RNA編集核酸は細胞に導入するだけで目的とするA-to-I RNA編集を任意の部位に誘導し、遺伝情報を書き換えることができます。こうしてRNA編集技術は、他の技術にはないメカニズムで目的の機能を持ったタンパク質を作り出すことができます。


さらに、RNA編集技術の活用法は、以下に例を挙げるとおり広範にわたります。疾患への既存のアプローチに加わる新たな手法として、医療や創薬への応用が大きく期待されています。 

FRESTでは、複数の型のRNA編集核酸を有しており、用途に応じて使い分けることができます。目的に合わせて最適な型を用いて、RNA編集核酸医薬品という新しい医薬品の開発を行っています。